9月6日の地震以来、北海道への観光客は宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、激減したと言われています。現状は、元気です北海道キャンペーン、いわゆる「北海道ふっこう割」などで北海道観光促進真最中ですが、9月5日まではどうであったか?
私の住む札幌の街は、そもそも観光都市であるので、夏シーズンや雪まつり期間に観光客が多いのは当然のことでしたが、ここ2~3年は、特にアジアを中心とする外国人観光客で、以前よりも混雑している印象が強いですね。
外国人観光客が多いことは、札幌の街の活性化にもつながり良いことなのですが、同時に民泊旅行者が増えてくると、自分の住居・マンション生活に弊害も起きてきそうで怖さも感じます。
そんな中、民泊新法施行後6月7月の民泊利用状況が観光庁より発表され、北海道は全国で1位でした。
なぜ、北海道に民泊利用者が多いのか?その状況と理由について、まとめてみました。民泊による諸々の問題を懸念される方のご参考になれば何よりです。
【1】観光庁発表の都道府県別「民泊」宿泊者数
観光庁からの発表によると、民泊新法が施行された6月15日から7月30日までの民泊利用者数は、全国で83,238人でしたが、そのうち北海道が27,042人で全国一位であったそうです。
なんと全国の民泊利用者のうち、およそ三分の1にあたる32.5%が、北海道での利用であった訳です。北海道の旅行需要の高いシーズンであることを差し引いても、かなり高い数値であると言えます。
また、全国の民泊利用者のうち、83.4%が外国人で、国籍別では中国・韓国・アメリカの順であったとのことです。
札幌市でも、アジア観光客の聖地と化した狸小路に限らず、いろんな所で、中国人や韓国人に出会います。家の近くを歩いていて、中国語で電話会話中の人にすれ違っても、ほとんど違和感を覚えないほど、多くの外国人とすれ違います。
【2】訪日外国人数
民泊に限らず、外国人観光客の北海道訪問者数は、昨年2017年度に過去最高を記録しました。
北海道庁のまとめによると、2017年度に北海道内を訪れた観光客数は、前年度比144万人(2.6%)増で5,610万人と過去最高でした。
実は北海道内の人の観光客数は減っているのです。しかし、その分を補って余りあるのが外国人観光客の増加で、なんと前年比21.3%増で279万人と、過去最多でした。
観光客数を市町村別に分けると、札幌市が1527万人と断トツで、次が小樽市の806万人、旭川市536万人、函館市525万人の順となっています。
国別では、中国がおよそ67万人、次いで韓国が64万人と、やはり中国人・韓国人が多く北海道を訪れています。
上記の数値を見ると、中国人・韓国人観光客が札幌に多く来ていることが分かりますね。
【3】民泊新法への届け出数が多い札幌の理由
<1>民泊新法への届け出数
観光庁発表の10月12日付・住宅宿泊事業者(民泊ホスト)の届出受付件数は全国で10,270件でしたが、全国の市町村別で見ると、札幌市は全国で1位でした。
全国の主要都市別件数を並べてみると
札幌市 1,202件
仙台市 25件
横浜市 89件
川崎市 25件
名古屋市 189件
金沢市 1件
京都市 263件
大阪市 1,141件
神戸市 27件
広島市 68件
福岡県 529件(市でなく県)
那覇市 81件
都市により、かなりの温度差がありますが、これは、外国人観光客の宿泊需要の差が出ているものと思われます。
もちろん、東京都23区を全て合計すると東京23区が一番多くなるのですが、区単位で見ると、多い方から、新宿区725件、渋谷区478件、豊島区427件となります。
いずれにしても、札幌市の民泊届出件数は、全国でもかなり高い部類であることは間違いありません。
<2>札幌が多い理由
➀民泊の条件とシーズン需要の関係
民泊新法のルールとして、年間で180日までという制限があります。そのため、年間を通して平均的に宿泊需要のあるエリアよりも、一定程度需要がはっきりしているエリアの方が、民泊の展開がしやすいのです。
その点、札幌は6月~10月頃と雪まつり時期に宿泊需要が偏る傾向があります。
昨今の好景気による出張需要と外国人訪日観光需要の高まりにより、以前に比べれば、かなりオフ期にも宿泊需要は高まってきましたが、まだまだ圧倒的に8月を中心としたグリーン期と雪まつりの需要は突出しています。
②住宅コストが安い
賃貸にしてもマンション購入にしても、札幌の中心部である札幌駅や大通駅から徒歩圏の場所と、東京の新宿・渋谷・豊島区の主要駅付近とを比較すると、札幌は東京の半分以下のコストで済みます。
③投資需要と移住需要
札幌もかなり新築マンションの価格が上昇し、札幌市民の給料では、札幌市の中心部である中央区のマンションには手が出なく、郊外へとマンション需要が移っているとも言われていますが、東京や大阪でも同じような状況ではないでしょうか?
東京で住みたい便利なエリアは、もう手が出ないほど高価格になっているのであれば、札幌で住みたい便利なエリアを探してみるのも方法です。実際に暮らしてみると、札幌も東京も、それほど生活の利便性や豊かさに相違はありません。
また、老後には北海道へ移住したいという熟年層に限らず、札幌への移住希望者は増えています。人口が減少し続ける北海道ですが、札幌市だけは増加し続け、200万人も目前まで来ています。
投資目的の方は、マンション等を購入してからすぐには売らず、少し転がしてから販売する人もいます。また、移住目的の方は、定年退職を迎えるまでの間、部屋を空けておくのも勿体ないですね。
そんな人達にとって、安定的に賃貸契約が継続できれば良いのですが、空いたままになってしまう物件もありますので、賃貸が駄目なら民泊で稼ぐという方法も取れる札幌は、マンション購入のリスクが小さくなる魅力的なエリアなのです。
まとめ
通勤ラッシュや長時間通勤、高い家賃で余暇費用が賄えない東京生活を捨てて、大都市の機能を持ちながら、通勤ストレスもなく、余暇をたっぷり楽しめるのが札幌生活のはずでした。
しかし、もしもマンションの隣の部屋が民泊をやり始めたらどうなるか?テレビの情報番組で見るような、どんちゃん騒ぎやゴミの散乱などが毎日のように続いたらどうなるのか?
民泊需要の高い札幌、そんなリスクの高い街に移住したことを後悔する、失敗したな~とUターンするはめにあう。そんな可能性が札幌にはあります。
しかし、東京や大阪に残っても、同様のリスクはありますね。要は、民泊に対し管理組合単位で規制しているマンションなどもありますので、そのような部分を確認しながらマンション探しをすれば、恐れる必要も無いように思います。
少なくとも、北海道の情報番組で、民泊により苦しんでいる方々の情報などを見たことはありません。
札幌は犯罪率も低い街ですから、東京や大阪の中で引越しをするくらいなら、1度、札幌への引越しを検討してみるのも良いと思います。
もちろん、会社を退職してまでも移住するべきか?までは、その方の現在の仕事に対する充実度によって変わってきます。
どこに住んでも、どこで働いても、必ずデメリットはありますから、札幌のメリットと民泊リスクはじめ様々な札幌のデメリットをトータルして検討してみて下さい。
そのお役に立てればと、このブログを始めましたので、このサイト内に、検討するべきメリットとデメリットを書き溜めています。いろんな記事を読み漁って頂けたら本望です。
以上、『民泊が日本一多い札幌』その理由と状況についてでした。