北海道移住の失敗・後悔談で、交通アクセスが不便であるという話をよく聞きます。首都圏や関西圏の一番良い部分と比べるとそうなのかもしれませんが、東京のど真ん中で暮らし通勤していた私から見ても、札幌の交通アクセスは十分だと思えます。
札幌の公共交通機関は、JR・バス(ここまでは地方都市と同じ)・地下鉄(ここまでは地方の大都市と同じ)・市電(路面電車)があり、東京と同じ種類ですね。
そんな札幌の交通アクセスの充実ぶりをまとめてみました。札幌なら、北海道移住を失敗!後悔!とはなり難いことが、お分かり頂けるかと思います。
地下鉄
札幌の地下鉄は、南北線(16駅・14.3km)、東西線(19駅・20.1km)、東豊線(14駅・13.6km)の3系統があります。
札幌市の中心部は、縦(南北)はJR札幌駅&地下鉄さっぽろ駅から地下鉄・大通駅~地下鉄・すすきの駅の約1.9kmで、横(西1丁目~西6丁目)くらいの狭い範囲となります。
そのど真ん中は「大通」駅で、地下鉄の3路線全てが通っており、各3路線の終点から大通駅までの所要時間と駅数を下に並べてみました。
・南北線(16駅):麻布>6駅11分>大通>9駅16分>真駒内
・東西線(19駅):宮の沢>8駅16分>大通>10駅19分>新さっぽろ
・東豊線(14駅):栄町>7駅13分>大通>6駅12分>福住
※それぞれ最遠の駅から中心駅・大通駅まで20分以内です。札幌では、自宅から会社までの通勤時間が30分以内であることは、珍しくなく、転勤族のほとんどは、この範囲に暮らしています。
●始発は6時台~終電は0時台まであり、列車本数(1時間当たり)は、昼間8~9本、最大14~16本、6時台5~7本、0時台2本、4~10分に1本程度の本数は走っています。
JR山手線やメトロ銀座線・日比谷線など、東京の本当のメインの列車網に比べれば見劣りするかもしれませんが、その他都営地下鉄線や私鉄などと比べれば、十分と言っても良いですよね。
逆に列車本数も多いけど、人の数がもっと多くて、ホームがいつも混んでいる東京の駅は、けっこうリスクが高いですね。
その点、札幌の地下鉄ホームは、全駅にホームドアが設置されているので安全です。そして、満員電車に苦しめられることもありませんし、走行も静かですし、札幌の方が快適なくらいですね。
また、よく札幌の交通料金は高いなどと言う話もありますが、よく調べてみると、札幌より明確に安いのは東京だけです。名古屋・大阪ですら、ほぼ同額と言っても良いレベルで、仙台・横浜・京都・神戸・福岡よりは札幌の方が若干安いくらいです。
市電(路面電車)
札幌の市電は、全24駅がループ(一周)していますが、大通付近~狸小路~すすきの~中島公園付近~山鼻付近~ロープウェイ入口~伏見付近~札幌医大付近~中央区役所前など、札幌市の主要部を一周約50分で走っています。
JRとの直接乗り換えはできませんが、地下鉄との乗換えは、地下鉄南北線や東西線と並行している8つの駅で可能で、乗り継ぎ割引運賃の設定もあります。
●地下鉄との乗り継ぎ可能な市電8駅
市電・西15丁目駅⇔地下鉄東西線・西18丁目
市電・中央区役所前⇔地下鉄東西線・ 西11丁目
市電・西4丁目・狸小路・すすきの⇔地下鉄・大通・すすきの・豊水すすきの
市電・山鼻9条⇔地下鉄南北線・中島公園
市電・静修学園前⇔地下鉄南北線・幌平橋
※市電の西4丁目駅・狸小路駅・すすきの駅と地下鉄の大通駅・すすきの駅・豊水すすきの駅の間は、どの組合せでも市電・地下鉄間乗継ぎが可能です。
●電車本数(1時間当たり)は、始発から6時台に2本、日中は8~11本(土日は0~3本程度少なくなる)、終電は23時台(2本)まであります。
駅間の所要時間は短く、1分が1区間、2分が16区間、3分が6区間、4分が1区間と、2分程度が大半です。
冬の雪が多く降る時期でも、ササラ電車による除雪のおかげで、多少の遅延こそあれ、運休になることは少ないです。北海道では冬の雪による交通障害は避けたい重要部分ですが、市電は地下鉄に次いで安心な交通機関です。
また、普通運賃と定期料金は他都市に比べ若干高めですが、先ほどの「市電と地下鉄と乗り継ぎ可能駅」で、地下鉄と市電(路面電車)を乗り継ぐと80円割引になり、他都市よりも安くなります。
また、市電専用のお得なきっぷ「 どサンこパス」を利用すると、もっとお得になります。
土日祝日だけですが、1枚360円で、市電を単純往復乗車するだけでも、普通200円×2回=400円より40円もお得です。
それ以上乗れば乗るだけお得で、更に、お子さんが一人分まで無料になりますので、ご家族で利用すれば、かなりお得です。
更に、ICカードをSAPICAにすれば、地下鉄・市電・バス運賃の10%がポイント化するので、運賃が10%割引になるのと同じ効果を発揮します。
JR線
JR線は、札幌駅を中心に①新札幌・新千歳空港方面、②手稲・小樽方面、③江別・岩見沢方面・④あいの里公園・石狩当別方面の4方向に路線があります。
●列車本数(1時間あたり)は路線により大きく異なります。
新千歳空港方面・・約4~8本程度
小樽方面・・・・・・・・約5~9本程度
岩見沢方面・・・・・・約3~6本程度
石狩当別方面・・・・約2~4本程度
●始発・終電(札幌駅発・特急を除く・平日)は以下の通りです。
千歳方面・・・・・・6:02(始発)~23:59(終電)
江別方面・・・・・・6:00(始発)~23:59(終電)
手稲方面・・・・・・6:08(始発)~23:59(終電)
あいの里方面・・・6:21(始発)~23:59(終電)
●主要な駅間の所要時間は、以下の通りです。
手稲~札幌・・・10分~18分(快速~普通)
石狩当別~札幌・・・37分~44分(普通のみ)
新札幌~札幌・・・9分~17分(快速~普通)
新千歳空港~札幌・・・37分~57分(快速~普通)
ちなみに、利用者数上位10駅は➀札幌②手稲③新札幌④琴似⑤桑園⑥白石⑦星置⑧稲積公園⑨発寒⑩苗穂です。
また、JR線は、毎日運行の全ての列車にトイレが設置されていますので、安心です。
バス
バスについては、路線数などの説明が難しいので、乗車人員で他の交通機関と比較することでイメージして頂ければと思います。札幌市内の乗車人員(2016年度・出典元:札幌市のデータ)を多い公共交通機関順に並べます。
➀地下鉄 619,945人
②バ ス 289,818人
③J R 218,894人
④市 電 24,871人
札幌においては、JR利用者よりもバス利用者の方が多いのが特徴かもしれません。
以上、4つの公共交通機関の利便性に関する部分について、簡単に書かせてもらいました。
東京の山手線の内側には劣るものの、外側と比べれば、札幌の方が便利な地域も多くあるため、東京の山手線外側とは大差ない、地方としては十分過ぎるメリットであると言っても過言ではないですね。
札幌以外で北海道移住したら、こうはいきませんね。老齢化後は、車の運転事故が多発していますから、車運転の必要のない札幌は、永住するには最適です。
移住先居住地としておすすめの駅
《1》複線利用可能駅
➀地下鉄とJR線
・JR「札幌」駅・地下鉄「さっぽろ」駅(南北線・東豊線)
・JR「新札幌」駅・地下鉄「新さっぽろ」駅(東西線)
・JR「琴似」駅・地下鉄「琴似」駅(東西線)
但し、札幌と新札幌は駅が隣接というか直結というか、ラッチ内乗り継ぎはできませんが、屋内で繋がっています。しかし、琴似は両駅間が10分くらい離れています。よって、琴似の場合は両駅間のエリアであればということになります。
②地下鉄と市電
さきほどの「地下鉄との乗り継ぎ可能な市電8駅」に記載の大通~狸小路・すすきの・中島公園付近となりますが、治安上からは大通以外はあまりおすすめできません。
《2》冬でも安心な地下鉄線沿線
札幌の冬は、大雪による交通障害があります。特にバスは時間が読めず、JRもよく遅延を起こします。よって、雪の影響を全く受けない地下鉄が一番におすすめで、次にほぼ遅延が発生しない市電の順となります。
東京では、雪が降るたびに大きな交通麻痺を起こしていますね。年に1回か2回かのことですが、回復するまでに数時間かかりますよね。駅の中にすら入れない私鉄の駅の様子がニュースで流れる度に、お気の毒様!といった感じです。
札幌の地下鉄なら、こんな数時間も待つ羽目に合うことは、まず無いですね。
ちなみに、地下鉄も地上に出る部分がありますよね。しかし札幌の地下鉄の場合は、南北線がそうなのですが、シェルターで完全防備されているので、雪による障害はありません。
まとめ
北海道移住を失敗・後悔しないためには、まずは札幌移住から始める、特に地下鉄沿線でマンションを探すことをおすすめしていますが、交通利便性及び遅延等の障害など考えると、ほぼ100%の確率で地下鉄沿線に住むことが無難です。
何度か北海道旅行・札幌観光や出張で、札幌生活の現実を体験しておくことをおすすめしますが、地下鉄に乗ってみて下さい。所要時間も短く、車内もほどよく空いていますので、ストレスフリーな移動が可能であることがお分かりいただけると思います。
以上、札幌の交通アクセスは地下鉄・市電・JR・バスが揃い利便性が高い街!についてでした。
【出典・参考元】
札幌市公式ホームページ – City of Sapporo https://www.city.sapporo.jp/
市営交通/札幌市交通局
https://www.city.sapporo.jp/st/