北海道の大雪の真冬は意外と寒くない!中でも札幌は気温高め

北海道移住で一番気になるのは、冬の寒さですよね。しかし、札幌に移住して、それほど寒さは苦になっていません。

大雪にも不安ありますよね。しかし、雪は雪の状態なら、大敵どころか強い味方になってくれます。何と寒さが苦にならないのは雪の恩恵でもあるのです。

雪が融けてまた冷えて氷になってしまうと、ツルツル凍り道になり危険ですが、雪の状態、特に新雪の状態は歩いていて気持ちが良いですよ。

そんな札幌の冬について、移住後の失敗や後悔にならない理由をご紹介しますね。

※以後、気温データの出典元:全て気象庁

札幌の冬の気温を東京と比較

《1》寒い気温(10度未満)の割合比較

東京の冬で、今日は寒いな~と感じるか否かは、10度が大よその節目になりますよね。そこで、最高気温が10度未満の日がどれくらいあるのか?札幌と東京で比較してみました。

※気温数値は、気象庁の2013年~2017年の5年間データを、こちらで1年間平均に計算したものです。割合とは、その気温帯の日数が1年間365~6日に占める率のことです。

札幌東京
日数割合日数割合
34度以上0.40.1%133.6%
32度~1.80.5%195.3%
30度~6.81.9%195.3%
28度~143.8%277.5%
26度~287.7%369.8%
24度~287.6%297.9%
22度~236.3%287.6%
20度~246.6%328.7%
18度~195.3%205.4%
16度~195.3%226.0%
14度~184.8%256.7%
12度~185.0%287.6%
10度~164.5%308.3%
8度~164.3%267.2%
6度~164.4%7.82.1%
4度~225.9%3.40.9%
2度~256.8%0.40.1%
0度~236.2%00.0%
 -2度~267.2%00.0%
 -4度~143.9%00.0%
 -4度未満61.8%00.0%

10度以上の日数は、札幌が217日・年間の約60%の日数、東京は327日・年間の約90%。東京の感覚で寒いと感じる10度未満の日は、札幌では年間の4割にも相当し、東京ではたった1割の日数です。

気温ベースでは、札幌で寒いと感じる日数は、東京の4倍もあるということになります。

《2》11月~4月の日ごと最高気温と札幌東京差

※過去5年間の各日ごとの最高気温を、こちらで旬ごと平均値に計算

札幌東京
11月上旬11.519.07.4
11月中旬8.416.68.2
11月下旬5.315.310.0
12月上旬3.613.59.9
12月中旬2.311.89.5
12月下旬1.111.510.4
1月上旬-0.511.111.5
1月中旬-1.99.311.2
1月下旬-0.210.810.9
2月上旬-0.510.310.8
2月中旬0.911.110.2
2月下旬1.211.610.4
3月上旬2.413.210.8
3月中旬5.115.310.1
3月下旬7.116.29.2
4月上旬10.017.97.9
4月中旬10.919.78.9
4月下旬15.621.35.7

東京で一番寒い時季が1月中旬で9.3度。札幌はこの9.3度未満となるのが11月中旬から3月下旬。札幌に移住するとなると、4ヶ月2旬(約20日)は、
東京で経験をしたことのない低気温を体験しなければならなくなります。

東京とは常にほぼ10度の差がありますが、想像できるでしょうか?東京でめちゃくちゃ寒くてたいへん!という1月に、札幌では更に10度も低いのです。

東京では、3月にどんどん気温が上昇し15度も超えて来るのに、札幌の3月は東京の真冬よりも寒い5度くらいです。

11月から4月中旬までの約半年間は、東京感覚で言えば「冬」です。半年も冬を耐えるのかと思うと、札幌移住なんて気が萎えいできますね。

それでも、札幌移住を満喫している人がいます、私も含めて。では何故、この長い冬、10度も更に寒い札幌で暮らすことができるのか?次にご紹介します。

なぜ札幌の冬は寒く感じないのか?

北海道札幌市は雪の中でもあまり寒くないイメージの写真

まず結論から言いますと、東京の10度の寒さと札幌の0度の寒さは、感覚的にはほぼ同じくらいです。

東京の極寒5度と札幌の-5度も同じくらいですね。但し、東京の15度と札幌の5度は、札幌の方がとても寒く感じます。

同じ10度差でも、札幌が2度未満の場合は、東京との10度差を感じさせません。実際に私の札幌での服装は、東京で着ていたダウンコートをそのまま札幌でも愛用しています。それで全く問題ありません。

では、なぜ2度未満の時は、東京より10度低くても、同じ感覚・服装でいられるのか?ご説明します。

実は、2度という気温自体が直接の原因では無く、2度未満の日は、雪が積もっている時期であること、雪が降る日が多いということで、意外と寒くない直接の原因は雪と雲にあります。

❶雪が保温力を持っているから

以外なんですけど、あるんです。

❷雪が降る時、熱を放射するから

水(水蒸気)が、氷(雪)に変わる時に大量の熱エネルギーを放出しますが、これを凝固熱と言います。過冷却状態の水は、振動したり氷の結晶の核になるものに触れたりすることで、瞬時に凍って凝固熱を放出するのです。

❸厚い雲が、地上の熱を逃がさないから

札幌の冬は晴天率がかなり低くなりますが、厚い雲に覆われているために、放射冷却を防ぐ、つまり熱が逃げにくくなります。

特に雪が降っている時はかなり厚い雲に覆われるので、雪の保温力とともに暖かく感じさせてくれます。逆に晴れの日はどんどん熱が上空に逃げていきます。東京の冬は晴天率が高いから寒いのではないでしょうか?

❶❷❸の通りなので、逆に気温が中途半端に上がり、雪を融かしてしまう3月・4月の方が、1月2月よりも気温は高くても寒く感じます。

❹風が強くない

札幌の冬は、あまり風を感じません。札幌よりも気温が5度ほど高い新潟や富山・金沢は風が強いため、同じ雪の日でも、とても寒く感じます。東京10度・北陸5度・札幌0度の日なら、かなりの確率で北陸が一番寒く感じると思います。

❺家の中が暖かいから

ウェザーニューズ社が行った「部屋の温度×セツデン調査(2012年1月)」では、一番寒い1月の室温の高さにおいて、北海道が20.73度で全国1位でした。

ちなみに2位は沖縄20.64度、3位青森20.20度、東京は7位19.27度、最下位は長野で17.50度です。

ちなみに、同じ調査の中の「室内で半袖+短パン」率で、北海道は沖縄・長崎に続き全国3位でした。

北海道の住宅は、断熱性や気密性に力を入れた造りをしているので、部屋の中の寒さ対策が、東京より良くできています。マンションであれば、床暖房やガスファンヒーターなどがかなり前の建築から導入されています。

東京でも最近は増えましたが、札幌のマンションなら築10年以上でも床暖房は当たり前についています。

確か、こたつ所有率は全国の中で最下位であったと記憶しています。

ヒートアイランド現象(札幌周辺地区と比較)

札幌にもの冬のヒートアイランド現象が起きていて、1月の最低気温平年値が100年間で6.5度も上昇したそうです。札幌中心部では、-20度に下がることはゼロとなり、-10度以下まで下がることも珍しくなってきました。

この現象が起きているのは札幌中心部だけで、ある日の最低気温が、石狩市-19.5度、恵庭市(恵庭島松)-21.9度、江別市-24.6度に対して、札幌市(気象台)-10.6度であったこともあるそうです。

同じ札幌市内の中でも、中央区・西区の気温が高く、内陸性気候の厚別区や清田区では低くなりがちです。

次に、札幌気象台と、周辺都市の気象台で、気温の差を調べてみました。5年平均は2013年~2017年の平均です。

❶最高気温(日ごと・過去5年間の平均)

札幌石狩山口江別恵庭千歳
1月-1-1-1-3-2-1
2月000-100
3月545344

❷最低気温(日ごと・過去5年間の平均)

札幌石狩山口江別恵庭千歳
1月-7-9-8-12-13-13
2月-6-8-7-11-12-11
3月-2-4-3-5-6-6

❸その年の最低気温(小数点以下四捨五入)

札幌石狩山口江別恵庭千歳
2013年-12-19-17-23-23-25
2014年-14-21-17-24-24-22
2015年-10-16-12-19-18-19
2016年-11-16-14-20-20-20
2017年-13-19-20-22-22-20
2018年-13-20-18-26-23-22

最高気温・5年平均は、札幌が高い部類にはあるものの、札幌だけが高い訳ではないですが、最低気温・5年平均では、明らかに札幌は他地区よりも気温が高いことが分かります。

更に、その年の最低気温を見ると、更に差が開きます。江別・恵庭・千歳に比べると10度前後の差があり、ヒートアイランド現象と言われる裏付けにも十分な数値です。

北海道内の他6地域と比較

それでは、札幌近辺・石狩方面だけでなく、北海道全体で比較するとどうか?各地域の6都市と比較してみました。5年平均は2013年~2017年の平均です。

❶最高気温(日ごと・過去5年間の平均)

札幌稚内網走旭川釧路室蘭函館
1月-1-3-3-4011
2月0-2-2-1012
3月5234456
4月128101191112
11月86769910
12月2010343

❷最低気温(日ごと・過去5年間の平均)

札幌稚内網走旭川釧路室蘭函館
1月-7-7-9-12-11-4-6
2月-6-6-9-10-9-4-6
3月-2-2-4-6-4-1-2
4月4210133
11月110-2032
12月-3-4-5-7-6-1-3

やはり、日の最高気温・5年平均においては、札幌は高い方の部類であるものの、それほど差が大きい訳ではありません。

そして、日の最低気温・5年平均になると、札幌の気温は網走・旭川・釧路との差が少し大きくなります(札幌が高い)。

しかし、一番寒くないのは太平洋側の室蘭です。最高気温・最低気温ともに室蘭の方が札幌よりも高くなります。

降雪量も室蘭は札幌の半分以下しかありませんので、気候の面だけで検討すると、札幌より室蘭の方が住みやすいと言えそうです。

まとめ

北海道移住を失敗・後悔しないためには、まずは札幌移住から始める、特に地下鉄沿線でマンションを探すことをおすすめしていますが、気候のことを重視した場合も、やはり札幌が良いですね。

中でも、中央区・西区が冬でも気温高めということですから、東西線のバスセンター前駅から宮の沢駅の間が無難といった感じでしょうか。

何度か北海道旅行・札幌観光や出張で、札幌生活の現実を体験しておくことをおすすめしますが、東西線バスセンター前駅~宮の沢駅に行ってみて下さい。また、同じ冬でも1月と3月の2回来てみて下さい。

居住費用として、円山公園駅と大通駅は札幌の中ではかなりお高め、西11丁目・西18丁目・西28丁目・琴似・バスセンター前駅ならそこそこ、それ以外がお安めだと思います。

以上、北海道の大雪の真冬は意外と寒くない!中でも札幌は気温高めについてでした。

【出典・参考元】
気象庁
https://www.jma.go.jp/jma/index.html

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