札幌は風が強いのはなぜ?理由と過去風速の月別/他都市比較

札幌に移住して8年目ですが、札幌は風が強いという話をよく聞きます。

沿岸部ではない札幌ですが、確かに4月5月頃は風の強い日が多く、せっかく長い冬を抜けて気温が上昇しているのに、風が強いがために寒く感じることがしばしばあります。

逆に真冬の1月2月は、気温は東京より10℃くらい低いのですが、風がそれほどでもなく、雪の暖かくしてくれる性質と相まって、真冬は意外と寒くないのです

そこで、札幌の「風」について、調べてみました。

そもそも、札幌は風が強いのか? 東京だけでなく、大阪・福岡とも比較してみました。

そして、風が強いのはいつ頃なのか?

近年、特に風が強くなったという説は本当か?

などなど、まとめてみました。

札幌は風が強いということの証明/比較方法

どれくらいの風が吹けば「強風」と言えるのか?

「強風注意報」とか「暴風警報」というレベルもありますが、通常で言えば「最大瞬間風速10メートル(10m/s)」が1つの目安になるようです。

(ちなみに、強風注意報とは平均風速で13m/s、暴風警報は同じく18m/sが札幌の基準です)

そこで今回の調査では、気象庁の「過去の気象データ・ダウンロード」より「日最大風速10m/s以上日数(月)」というデータを利用させていただきました。

要するに、風速10メートルという強風が吹いた日は、月に何回あったか?というデータです。

そして、このデータで東京・大阪・福岡と月ごと(平年値)で比較してみました。

※平年値とは、1991年~2020年までの30年間の平均です。昨年2020年までは1981年~2010年までのデータだったのですが、今年2021年から変わりました。

札幌は東京大阪福岡より風が強いのか?データ比較

前記の通りにデータ比較(一覧化)してみましたが、注目点を先にお伝えしておきます。

札幌は、東京・大阪・福岡よりも風が強い日(10メートル以上の日)がかなり多いことが分かります。

また、いつ頃強い日が多いのか?と言うと、4月・5月が特に多く、次いで10月・11月でした。

日最大風速10m/s以上日数(日)
(日)札幌東京大阪福岡
1月3.21.21.80.9
2月3.62.62.21
3月4.62.721.8
4月6.62.41.61.3
5月6.21.41.20.6
6月3.40.70.90.2
7月2.50.51.20.7
8月2.50.71.41.1
9月2.81.21.11.9
10月4.41.10.81.5
11月3.90.710.9
12月3.11.11.21.3
年間計46.816.316.413.2

札幌は、東京・大阪の約3倍も、強風の日があるということです。

札幌はなぜ風が強いのか?その理由

札幌は、確かに風が強い日(最大10メートル以上の日)が多いことが分かりましたが、では一体なぜなのか?その理由についても調べてみました。

理由は大きくは2点に集約され、地形と気候の影響を受けています。

❶札幌は、石狩平野から苫小牧の勇払平野に向かって、北西~南東に向かう季節風の通り道になっているから風が強いのです。

札幌は、石狩湾から苫小牧にかけて遮る山が無いために、風の通り道になり易いのです(これは、北広島や千歳でも同じことが言えます)。

❷気温差の拡大が風には影響するためです。

札幌は、東京や大阪などに比べて、冬は10℃以上も気温が低いのですが、夏は5℃くらいしか差がありません。

よって、季節の変わり目の気温差は激しくなりやすく、特に気温が上昇していく4月・5月の1日の気温差や日による気温差が、ジェットコースターのように変化します。

札幌は近頃風が強くなったと言われるが本当か?

結論から先にお伝えしますが、特に最近風が強くなったということは、データ上からは読み取ることができません。

前記で平年値(30年間平均)を出したので、この項目では1991年~2020年の30年分を一覧にしてみましたが、ご覧いただくべきは2002年から以降(下)です。

2001年9月26日に、札幌気象台の風速風向計の設置場所が変更になっているので、2001年以前と2002年以降では比較し難くなっています(それにしても、差が大きすぎます・・・大阪も???ですが)

日最大風速10m/s以上日数(日)
(日)札幌東京大阪福岡
1991年0222516
1992年818916
1993年4186719
1994年12165710
1995年10146915
1996年320557
1997年4186310
1998年913496
1999年517185
2000年51868
2001年171067
2002年7516410
2003年6510414
2004年76381413
2005年7226515
2006年8427910
2007年592329
2008年691024
2009年8813313
2010年7013517
2011年5614222
2012年6511420
2013年7720322
2014年7414121
2015年8314116
2016年738118
2017年5510312
2018年5715413
2019年7110119
2020年5612112

もしかしたら、このようなデータが札幌は近頃風が強くなった!と言われる原因なのかもしれません。

まとめ

2002年以降のデータで比較すると、札幌の年間合計は69.7日、東京:16.0日、大阪:3.6日、福岡:14.7日となるので、札幌の強風日は東京の4.3倍もあるということになります。

よって、札幌の風が強いのは明らかですね。

そして、風が強い理由も、風の通り道になっていることと気温差が大きいことは、理解しやすいと思います。

しかし、札幌の風が強い理由の意見として「建物が少なくて風通りが良いこと」とか「碁盤の目状の街であること」などの意見も目にしますが、これらは私には謎でした。

札幌が東京より高い建物が少ないのは確かでしょうが、福岡よりも少ないとは理解しがたいですね。

そして、碁盤の目状ということが風の強い理由になるのであれば、京都はどうなるのでしょうか?

いくら京都が盆地だからと言っても、碁盤の目が風を強くするのであれば、ほぼ無風の京都はどう理解したらよいのか???

 

いずれにしても、札幌は風が強いのは確かです(さすがに沖縄よりは弱いですが)。

特に4月5月10月11月は強い日が多いといったことから、札幌へ快適さを求めて移住される方は、引っ越しを春秋以外にした方が良いということになります。

出鼻をくじかれると、後悔の元ですからね。

 

以上、札幌は風が強いのはなぜ?理由と過去風速の月別/他都市比較でした。

 

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