札幌の気候について、夏は涼しく冬極寒というイメージは大概の方がお持ちだと思いますが、他の季節はどうでしょうか?涼しい夏と極寒の冬の間はどうなっているのか?実は札幌の秋は意外と知られていないメリットや札幌ならでは現象があります。
そこで、札幌の秋(9月・10月・11月)について、気象データを調べ、服装や雪のことなどについてもまとめてみました。
※気象データの出典元:気象庁ホームページ(気象庁のデータのうち2013年~2017年のデータを使用、5年間の平均値を旬ごとに割り出し、使用しています)
※他の季節も見たい方コチラ→ 『春の気候(札幌)まとめ』 『夏の気候(札幌)まとめ』 『冬の気候(札幌)まとめ』 『北海道の梅雨まとめ』
※12か月まとめて(月ごと)はコチラ→ 『12か月の気候(札幌)月毎まとめ』
札幌の気象データ(最高気温~最低気温・日照時間・降雪量)
まずは、気象データを並べてみました。その日の最高気温~最低気温、1日の日の照っている時間、雪の降る量(高さ)を、旬ごとに5年間データを平均化しています(あくまでも平均であり、特殊な年もあります)。
月旬 気温・最高~最低 日照h 降雪cm
9月上旬 24.7~17.1 55 0
9月中旬 22.3~14.5 49 0
9月下旬 21.6~12.5 61 0
10月上旬 18.2~10.1 49 0
10月中旬 15.4~7.0 50 1
10月下旬 13.2~5.2 46 0
11月上旬 11.5~3.8 34 5
11月中旬 8.4~1.2 34 15
11月下旬 5.3~-1.0 32 20
札幌と東京の日照率データを比較
※日照率とは、1日の日の出~日の入り時間に占める日照時間の割合です。
梅雨のない北海道のメリットとして、6月下旬~7月中旬が本州に比べて爽快なシーズンであることは有名ですが、実は秋雨の頃(8月下旬~10月)も、東京より日照率が非常に高く、梅雨時季と同様のメリットがあります。
こちらも、過去5年間の旬ごと平均値ですが、右端の「比較」は札幌/東京の割合で、100%以上なら札幌の方が日照率が高いということになります。
降雨量でも比較してみましたが、特に夏・秋は台風の影響が大きく、その年によって差が激しいため、今回はデータを外しています。
月旬 札幌% 東京% 比較(札幌/東京)
6月上旬 40% 41% 97%
6月中旬 35% 33% 106%
6月下旬 41% 23% 183%
7月上旬 44% 33% 135%
7月中旬 48% 43% 112%
7月下旬 39% 40% 98%
8月上旬 49% 47% 105%
8月中旬 33% 36% 91%
8月下旬 42% 28% 149%
9月上旬 43% 29% 146%
9月中旬 39% 33% 118%
9月下旬 51% 39% 132%
10月上旬 42% 33% 127%
10月中旬 45% 39% 116%
10月下旬 39% 39% 102%
11月上旬 34% 47% 73%
11月中旬 35% 46% 76%
11月下旬 34% 49% 69%
北海道は、梅雨は無いけど秋雨はあると言われ、秋雨は北の方がその影響を受けやすいとされていますが、札幌の8月下旬以降の日照率を札幌の~8月中旬や8月下旬以降(同期間)の東京と比較してみると、札幌の日照は、秋雨の影響を大して受けていないことが分かります。
旬ごとの状況
9月上旬
9月上旬は、最高気温24.7度~最低気温17.1度と、東京の10月上旬並みの気温で、且つ日照時間も長いため、非常に気持ちの良いシーズンです。日中は半袖で問題ありません。
9月の上旬は、東京では残暑厳しい日が続いている時期ですが、札幌の9月は秋ということになります。
梅雨の時期は、本州を離れ北海道に旅行したくなる方が非常に増えますが、実は9月にも同様の価値が6月下旬に次いであります。
9月中・下旬
9月中旬は22.3~14.5度、9月下旬は21.6~12.5と、日中は東京の10月中旬並みですが、夜は12~14度ほどまで落ちてきますので、油断は禁物です。
日中は暖かさを感じ気持ちが良いのですが、夜の防寒対策の用意も怠れないシーズンです。
10月上旬
10月上旬は18.2~10.1度と東京の11月上旬並みです。日中も20度まで届かない日が多くなってきますので、半袖は厳しくなってきます。ただ日照時間もけっこうあるので、東京の秋晴れのような気持ちよさは、まだ感じられます
10月中・下旬
10月中旬は15.4~7.0度、10月下旬13.2~5.2度と、更に気温が下がってきます。日照時間がまだ多いので救いですが、年によっては初雪が降る頃なので、防寒対策には更に注意が必要です。
移住民の方は、コートが無いと辛くなってきます。
しかし、10月下旬から、札幌市街地では紅葉が始まります。北海道大学や中島公園・円山公園・大通公園など、札幌中心部から徒歩圏(または地下鉄2・3駅)で紅葉が楽しめます。
紅葉について詳しくは↓
『札幌の紅葉・市街地5選』札幌に移住したら毎日楽しめる!
11月上旬
11月上旬は11.5~3.8度と、東京の12月下旬・クリスマスの頃と同じ寒さになります。そして、日照も少なくなり、雪のちらつきも珍しくなくなってきますので、より寒さを感じるシーズンです。
しかし、この時季の雪は、札幌・北海道ならではの光景をつくり出してくれます。紅葉が残っているうちに雪が一定程度降ると、紅葉と雪のコラボレーション景色が楽しめることになります。
11月中旬
11月中旬は8.4~1.2度と、ついに東京には無い寒さがやってきます。そして、雪も12月~2月オン期の半分くらいは降るようになり、いよいよ長い冬を覚悟するシーズンです。
11月以降3月中旬あたりまでは、日照時間が東京比5割~8割程度と、曇りがちなシーズンとなります。
11月下旬
11月下旬は5.3~-1.0と夜は氷点下まで下がり、雪もオン期の半分くらいの降りがあります。
実は、この札幌としては中途半端な気温と中途半端な雪が、移住民にとってはもっとも厄介で危険なシーズンと基となります。
積もった雪が日中の気温上昇で溶け、夜の氷点下で凍らせ、歩道はツルツル凍り道になります。札幌に住むにあたって冬一番恐れることは、冬の寒さや積雪よりも、このツルツル道で滑って転び怪我をすることです。
もっと雪が頻繁に降ってくれれば、または日中も氷点下で雪を一旦溶かさなければ、ツルツル道にはなり難いので、1月2月の方が安心できます(とは言っても、横断歩道は車の熱で雪を溶かすため、1月2月でもツルツルで危険です)
この話は、札幌市内でマンション暮らしをされる場合のことです(移住民は、きっとマンションに住まれるであろうことを前提としています)。郊外等で一軒家に住む場合は、雪かき・雪下ろしなどが大変なので、1月2月に安心感はありません。
まとめ
9月は梅雨シーズンと同じ快適メリットがあること、10月下旬~11月上旬には紅葉と雪のコラボ景色を見ることができるかもしれないということで、秋の札幌も楽しめます。
11月中下旬からのツルツル道は嫌ですし、長い冬に突入するシーズンであることは少し気が重くなりますが、真冬になると、それはそれで楽しめます。
東京の感覚で言えば、11月上旬には確実に冬が来ますので、札幌の秋は9月10月の2か月間ということになりますが、年によっては10月に雪が降るということで、その年は秋が2ヶ月も無い!ということになります。
ブログの書き込みの多くは、感覚的個人差があります。特に北海道以外から引越しされてきた方は、その年その年の異常気象にも惑わされてしまいがちです。
北海道移住を失敗・後悔しないためには、まずは札幌移住から、特に地下鉄沿線のマンション暮らしを選べば、異常気象などにも対応が十分に可能です。
何度か北海道旅行・札幌観光や出張で、札幌生活の現実を体験しておくことをおすすめしますが、10月頃にも来てみて下さいね。
以上北海道の秋っていつ?9月10月11月の気候を調査してみて分かったこと!についてでした。
【出典・参考元】
気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php