東京では3月下旬から4月上旬が「桜」で賑わう時季ですが、札幌の「桜」は1ヶ月遅い4月下旬から5月上旬頃になり、最近はゴールデンウィークあたりが見ごろであることが多い印象です。
2019年の開花予想は、3月中は5月3日でしたが、4月に入ってからグングンと前倒しになり、最終的には4月24日となりました。
2020年は、3月中は4月20日という異例の早さ予想でしたが、4月に入ってからは4月26日へ後退、4月中旬には更には4月28日へと後退し、最終的には4月30日の開花となりました。
平年値の5月3日よりは3日早かったのですが、2014年以降の7年間では最も遅い開花となりました。
また、新型コロナウィルスの影響により、円山公園では桜の木がある6つのエリアにロープを張るなど立ち入り制限がされています(通路は散策可能)。
モエレ沼公園は、散策エリアやトイレ・テイクアウトショップ・駐車場などは解放され、海の噴水や運動施設・ガラスのピラミッド・レンタサイクルなどはへいさとなりました。
4月はまだ東京の3月頃の肌寒い気候ですが、桜の開花で春の暖かさを迎えます。そんな札幌でのお花見<桜>について、まとめてみました。
移住や転勤などで引越しされて来られる方には、やっと訪れる春の癒し情報として、また北海道旅行・札幌観光の方や出張の方には、観光情報としてご覧頂けると思います。
桜の見頃はいつか?
※過去の桜開花日データ出典元:気象庁ホームページ
過去の桜の開花日データ(気象庁・2011年以降)
最近の2020年から過去へ遡っていきます。
4月30日(2020年)
4月24日(2019年)
4月26日(2018年)
4月28日(2017年)
4月25日(2016年)
4月22日(2015年)
4月29日(2014年)
5月13日(2013年)
5月 1日(2012年)
5月 7日(2011年)
2011年以降の「桜の開花日」平均を計算すると4月29日になるのですが、これは2013年の5月13日があるためであり、直近5年間の開花日は4月25日となります。そこで、もう少し遡って見てみることにしました。
過去の桜の開花日データ(気象庁2001年~2010年)
2010年から2001年へ順に遡っていきます。
5月3日、5月7日、5月1日、4月21日、5月4日、5月8日、5月10日、5月5日、5月1日、4月22日、4月29日
※2001年~2010年の10年間の「桜の開花日」平均は、5月3日となります。2011年以降も2017年までの平均を出すと5月3日となるのですが、2015年以降の5年間では4月25日と、ここ数年でかなり開花日が早くなっていることが分かります。
2019年の予想と結果
開花日予想(3月下旬):5月3日
開花日結果:4月24日
3社ほど開花予想を見ていましたが、ウェザーニューズ社だけが4月下旬を予想し、他2社は5月初旬を予想していました。
北海道ローカルテレビの情報番組で直近の開花予想をチェックしていましたが、4月中旬に4月29日に変更された後、更に4月26日に変更したと思ったら、開花日の前日になって4月24日に再変更していました。
わずか1週間の間に5日も早まってしまったということです。こんなに変わるのは珍しいことでしょうが、桜のお花見と他の予定の調整のためには、気温の変化を随時チェックしておく必要があるのだと痛感した2019年でした。
人気・有名な「桜」お花見スポット(札幌市内)7選
《1》北海道神宮
エゾヤマザクラやソメイヨシノ・ヤエザクラなどを中心に、1400本もの桜が咲く、札幌でも1・2を争う有名お花見スポットです。
また、280本の梅の木も植樹されていて、この梅と桜が同時に見頃を迎えるため、北海道神宮では一度で二度美味しい、桜と梅のお花見が可能です。全国的にも珍しいことのようです。
更に、円山公園に隣接しているので、円山公園の桜と両方を1度に堪能できます。
もともと北海道神宮は、開拓の神を祀るために明治政府によって建立されましたが、境内には樹齢数百年を越えるハルニレの大木などがあり、バードウォッチングとしても有名です。
地下鉄東西線・円山公園駅から徒歩15分ほどですが、円山公園駅から徒歩5分の円山公園を楽しみながら、通り抜けていくルートもあります。
《2》円山公園
円山公園は、約68haの敷地内に約160本の桜が植えられていて、お隣の北海道神宮と併せて花見に来る方が多いですね。
札幌におけるお花見スポットの大定番で、札幌市民なら誰でも知っている、必ず1度は行ったことがあるほどの名所ですので、満開の期間は場所取りが大変です。
円山公園のお花見人気の大きな理由の1つが、お花見ジンギスカン・バーベキューです。この桜の時季だけは、公園内で火を使うことができます(指定区域のみ)。円山公園の管理事務所でバーベキューのレンタルもしていますし、松尾ジンギスカンのデリバリーサービスを利用しても楽で良いですね。
この火を使える期間は年によって違うのですが、2017年は4月27日(土曜日)から5月4日(土曜日)まででした(バーベキューコンロ貸し出し抽選申込:4月10日~4月14日)
※2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、火気使用の禁止(火気使用エリアの設定中止)と、レジャーシート等を敷いての飲食を伴う宴会利用が不可(自粛要請)となっています。
風情が無いとおっしゃる方もいるようですが、上野公園などのどんちゃん騒ぎを見慣れている東京の方は大丈夫でしょうね。
円山公園が大人気・大定番の理由は、①札幌中心部から近いこと(例えば大通からなら、地下鉄東西線で3駅・5分、駅を外に出て徒歩5分)②北海道神宮に隣接(直結)している、③ジンギスカンやバーベキューが楽しめること、以上3点です。
《3》モエレ沼公園
約189haの広大な敷地内に、サクラの森と呼ばれるエリアがあり、エゾヤマザクラやカスミザクラ・ソメイヨシノを中心に2600本もの桜が植えられています。この本数は、北海道内ではかなり大きな規模の部類で、見ごたえあります。
また、サクラの森には、桜だけでなく子ども用の遊具も充実しているので、ご家族で行かれた場合、子どもたちも飽きることなく楽しめると思われます。
モエレ沼公園は、有名な彫刻家であるイサム・ノグチが基本設計をしたことで有名な公園ですが、東京ドーム40個分の広さの公園内には、テニスコート・野球場・陸上競技場・人工ビーチ・噴水・ガラスのピラミッド・モエレ山などがある総合公園です。
おすすめのモエレ沼公園ですが、交通アクセス面に難があります。車利用であれば問題ありませんが、公共交通機関(地下鉄・バス)を利用の場合は、他のお花見有名スポットに比べ、移動時間がかかります。
例えば、大通公園付近からの移動ですと、地下鉄+バス利用となり、3通りあります。4月28日以降の土日祝日であれば、大通公園からも近いバスセンターからモエレ沼公園バス停まで直行バスが利用できます。
<モエレ沼公園への通常交通アクセス>
・東豊線「新道東駅」乗換えの場合・・・大通駅から地下鉄乗車12分、バスに乗換え約20分でモエレ沼公園西口に到着
・地下鉄東豊線「環状通東駅」乗換えの場合・・・大通駅から地下鉄乗車8分、バスに乗換え約25分でモエレ沼公園東口・西口に到着
・地下鉄南北線「北34条駅」乗換えの場合・・・大通駅から地下鉄乗車9分、バスに乗換え約バス30分でモエレ沼公園西口に到着
<期間限定バス(モエレ沼公園バス停行:2019年の予定>
2019年4月27日(土)~11月4日(日)の土・日・祝(7月16日~8月16日は毎日運行)期間限定で、モエレ沼公園・バス停(東口・西口よりも公園中心部に近い所)までバスが運行されます。
・地下鉄東豊線「環状通東駅」から約バス25分
・大通バスセンターから約バス33分・・・大通駅からバスセンターまで徒歩5~6分
・JR「苗穂駅」から約バス25分
・地下鉄南北線「麻生駅」からバス約40分
・東豊線「栄町駅」から約バス30分
《4》中島公園
エゾヤマザクラ、ソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤエザクラが順に咲いていくために、桜のお花見期間が割と長い期間楽しめるのが特色です。
国の重要文化財「豊平館」「八窓庵」や、音楽専用ホール「Kitara」などがありますが、中でも明治期を代表する洋風建築である豊平館とエゾヤマザクラの姿は風情を感じます。
中島公園の大きな魅力は、交通アクセスの良さにもあります。札幌中心地である地下鉄・大通駅からも徒歩17分・1,300mと散歩がてらとしては程よい距離です。また、繁華街の中心すすきの駅までは徒歩11分・850mの距離です。
更には、最寄り駅としては3駅から選ぶことができます。
●地下鉄南北線・中島公園駅下車1・3番出口よりすぐ
●地下鉄南北線・幌平橋駅1・2番出口よりすぐ
●市電・中島公園通・行啓通より徒歩3分
《5》真駒内公園
エゾヤマザクラとヤエザクラの2種類の桜・計1,000本が楽しめます。
85haの敷地に約13,200本の樹木が植えられ、約5万本もの自然木が残る広大な緑地で、北海道マラソンのスタート地点でもあり、1972年の札幌オリンピックのメイン会場としても有名な公園です。
公共交通機関での移動としては、地下鉄南北線・真駒内駅より徒歩25分程度、またはバスで4つ目・5分の「上町1丁目」で下車し徒歩5分と、モエレ沼公園よりは移動時間が短いですが、円山公園や中島公園よりはかなり遠い感じが否めません。
《6》大通公園
札幌の中心部に位置し、札幌の代表的な観光定番スポットですので、改めてご紹介するまでもありませんが、少しだけ注意点があります。
大通公園は大通西1丁目から大通西12丁目まで約1.5kmと横に広い公園です。そして一番目に付くのは、有名な「テレビ塔」なのですが、このテレビ塔があるのは西1丁目で、公園の一番東側です。
桜の木が楽しめるのは西5丁目から6丁目・7丁目・12丁目となり、テレビ塔とは逆方向であるということです。そして、その中でもおすすめなのが西13丁目にある札幌市資料館(石造りの歴史的建築物)を背景とした桜の風景です。
地下鉄大通駅のある西3・4丁目からテレビ塔とは逆に西13丁目に向かって歩きましょう。桜はエゾヤマザクラが中心で、桜以外にも、ライラックやニセアカシアの木・チューリップの花壇なども開花のタイミングが合えば楽しめます。
《7》北海道庁旧本庁舎
通称「赤れんが」で有名な北海道庁旧本庁舎にも、カスミサクラ・ヤエザクラ・チシマザクラなどが咲きます。レトロな建物と桜の風景が異国情緒を感じさせながらも、札幌の象徴的な絵の1つです。
穴場的な「桜」お花見スポット(札幌市内)5選
《1》北海道大学
医学部の前には30本程度の桜並木があるだけで、秋の紅葉・イチョウ並木のような見渡す限りの!といった感じではありませんが、JR札幌駅から10分という距離も含めて、穴場的な存在です。
《2》永山記念公園
サッポロファクトリーの隣にある永山記念公園は、それほど広くはないのですが、サッポロファクトリーのアトリウム内からインドア観賞ができる点は、寒さ嫌いの方には穴場的と言えそうです。
また、公園内がつい最近リニュアルされました。また園内の建物で、旧永山武四郎邸と旧三菱鉱業寮も2018年6月23日にリニュアルオープンされ、喫茶スペースなどもできましたので、こちらからの桜観賞も期待ができます。
札幌中心部の大通駅から徒歩16分・1,300m、または地下鉄東西線で1駅目のバスセンター前駅で降り、10番出口より徒歩5分という近さです。サッポロファクトリーでの買い物ついでの花見でも良いですね。
《3》前田森林公園
インドのタージマハールを思わせる全長600mの運河とポプラ並木が有名ですが、その奥に続く敷地内に、チシマザクラ・エゾヤマザクラ・ソメイヨシノなどが、白・ピンクの濃淡さまざまな桜が楽しめます。
JR手稲駅から前田森林公園までタクシーで約10分、歩くと40分以上はかかる場所であることも踏まえ、有名よりは穴場と言えそうです。
《4》農試公園
名前からして?でしたが、野球場やテニスコート・アリーナなどもある総合公園で、エゾヤマザクラやソメイヨシノなど約250本の桜が咲きます。
JR線では、琴似駅から徒歩15分、発寒中央駅から徒歩20分です。地下鉄では、東西線・琴似駅から徒歩25分となります。琴似駅・宮の沢駅から路線バスでも行けて、八軒6条西5丁目バス停で下車後徒歩1分です。
《5》戸田記念墓地公園
本数約8,000本という絶景の桜スポットです。札幌中心部からは、車で70分かかります。バスなら、バスセンターから1,070円の距離です。
東京の桜の名所と規模(本数)を比較
ちなみに、東京で有名な桜の名所の本数を「乗換案内のジョルダン」より調べて、同じくらいの本数で並べてみました。桜の木の本数だけでは単純に規模の比較にならないかもしれませんが、ある程度イメージは付きやすいと思います。
<東京> <札幌>
・・・・・・・・・・・・ ・モエレ沼公園2,600本
・昭和記念公園1,500本 ≠北海道神宮1,400本
・上野恩賜公園1,200本
・新宿御苑1,000本 ≠真駒内公園1,000本
・石神井川の桜並木1,000本
・目黒川800本
・代々木公園700本
・靖国神社500本
・千鳥ヶ淵260本 ≠農試公園250本
・・・・・・・・・・・・・円山公園160本
まとめ
札幌へ引越しされた方は、各公園を順に行かれることをおすすめします。ただ、桜満開の期間は短いですから、数年に分けて行かれることになります。
北海道旅行の方は、複数回に分けて北海道内のいろんな観光地を回られる方もいらっしゃいますが、最後は必ず札幌に寄って、桜・ライラック・紅葉など、朝の散歩がてらにいろんな公園を見比べ回ってみて下さい。
但し、紅葉の場合は、本州でより先に見られるメリットがあるのに対し、桜の場合は、本州でのお花見で満足した後だと、無理に花見に行かなくても・・・かもしれませんね。
桜の頃は1日の気温差が激しい時季ですので、朝晩の防寒対策もお忘れなく!東京や大阪は25度を超えていたりする頃ですが、東京・大阪の桜の頃=3月下旬~4月上旬と同じ服装が必要です。東京でも、夜の花見はけっこう寒い時もありますよね。
以上、札幌のお花見<桜>有名スポット7選!穴場5選!についてでした。
【出典・参考元】
気象庁 さくらの開花日
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/sakura003_06.html
乗換案内のジョルダン お花見特集2018
https://sp.jorudan.co.jp/hanami/rank_tokyo.html