3月の札幌は、気候的には1年の中で一番厄介な時季かもしれません。
3月の日本全国は、東京をはじめとする本州・九州四国各地で「桜」の話題で盛り上がる頃ですが、札幌ではやっと開花予報が何となく出回る頃となります。
ちなみに、札幌で桜の開花が始まるのは4月下旬から、ここ数年はゴールデンウィーク期間中が見頃になっていて、東京よりもほぼ1カ月遅れで春を感じることになります。
3月の札幌は、最高気温0℃という北海道ならではの気温帯からは脱するものの、最高気温5℃前後の日が多く、東京の1か月前の冬どころか、東京・本州では体験できない気温帯の日々がまだまだ続く時季です。
日中の最高気温が5℃前後まで上がること自体は、氷点下の日が多い1月2月に比べれば、かなり暖かく感じ良いことですが、夜間には氷点下まで下がるために、いろいろと厄介なことが起きてきます。
ただ、日の出は早まり、日の入り時刻が遅くなり、日照率も上がっていくため、悪いことばかりでもありません。
そんな3月の札幌での服装に役立つ気候情報について、気温や日照・風などを中心に、日本全国15地域との比較をしながらまとめてみました。
(札幌と北海道内各地域との比較については、別の記事でご紹介しています。最後の項目で、その記事をご紹介しています)
(北海道内の各地との比較については、別の記事があり、本記事の最後にリンク先をご紹介しています。)
※各気象データは、気象庁ホームページのデータ30年間分を参照し、独自に30年平均などを集計しております。
※30年間データとは、西暦1990年~2019年(平成2年~31年)のデータです。
最高気温/3月の札幌と15都市
(℃) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | 2.5 | 4.5 | 6.4 |
青森 | 4.8 | 6.7 | 8.7 |
秋田 | 6.1 | 7.8 | 9.5 |
仙台 | 8.2 | 10.1 | 11.3 |
東京 | 12.5 | 14.3 | 15.2 |
新潟 | 8.6 | 10.3 | 11.5 |
長野 | 8.3 | 10.4 | 11.8 |
名古屋 | 13.0 | 14.6 | 15.9 |
金沢 | 9.9 | 11.9 | 12.9 |
大阪 | 12.6 | 14.2 | 15.6 |
広島 | 12.9 | 14.7 | 15.7 |
松江 | 11.3 | 13.3 | 14.4 |
高知 | 15.2 | 16.4 | 17.3 |
福岡 | 13.4 | 15.3 | 16.1 |
鹿児島 | 16.2 | 17.7 | 18.6 |
那覇 | 20.9 | 22.0 | 22.6 |
3月から5月頃にかけて、札幌の最高気温・棒グラフのラインは急角度で上昇していきますが、その始まりが3月ということになります。
とは言っても、3月は上旬2.5℃~中旬4.5℃~下旬6.4℃と、北海道・北東北以外の地域では体験することのない気温帯の日々が続きます。
しかし、1月2月の最高気温が0℃付近である頃に慣れている北海道生活においては、気温が5℃くらいまで上昇するということは、かなりの暖かさを感じるものです。
そのため札幌市内中心部では、若者を中心に真冬の分厚いアウターから、少し薄手のアウターへと衣替えされている人たちが目立ち始めます。
最低気温/3月の札幌と15都市
(℃) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | -4.3 | -2.3 | -0.8 |
青森 | -2.2 | -0.9 | 0.4 |
秋田 | -0.7 | 0.3 | 1.3 |
仙台 | 0.3 | 1.1 | 2.5 |
東京 | 4.6 | 5.9 | 7.1 |
新潟 | 1.6 | 2.3 | 3.5 |
長野 | -1.5 | -0.7 | 0.6 |
名古屋 | 3.6 | 4.2 | 5.8 |
金沢 | 2.4 | 3.1 | 4.5 |
大阪 | 4.9 | 5.7 | 7.1 |
広島 | 4.0 | 4.8 | 6.4 |
松江 | 2.7 | 3.2 | 4.6 |
高知 | 5.2 | 6.1 | 7.5 |
福岡 | 6.0 | 6.9 | 8.4 |
鹿児島 | 7.3 | 8.6 | 9.9 |
那覇 | 15.8 | 16.7 | 17.5 |
日中の気温は5℃くらいまで上昇しても、夜間~早朝の最低気温は、まだまだ氷点下であることが多いのですが、これが1年間の中で一番厄介な時季である原因となります。
平均の最低気温ベースで、3月上旬は-4.3℃→中旬-2.3℃→下旬-0.8℃へと上昇していくのですが、厄介なことの種類が、この最低気温の違いによって、変化していくことになります。
3月の厄介なことというのは、道路がツルツルの凍り道ができやすくなるということと、びちゃびちゃ歩道&水たまりの交差点を作り出す、そして仕上げに真っ黒な汚い歩道&交差点の景観を作り出すということです。
これらの詳細は、最後の「まとめ」の項目で記します。
日照率/3月の札幌と15都市
(%) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | 38 | 37 | 43 |
青森 | 30 | 34 | 38 |
秋田 | 27 | 33 | 37 |
仙台 | 46 | 50 | 49 |
東京 | 46 | 51 | 45 |
新潟 | 31 | 38 | 40 |
長野 | 46 | 50 | 46 |
名古屋 | 53 | 57 | 53 |
金沢 | 33 | 42 | 42 |
大阪 | 45 | 48 | 47 |
広島 | 46 | 49 | 48 |
松江 | 32 | 40 | 41 |
高知 | 54 | 52 | 51 |
福岡 | 41 | 44 | 45 |
鹿児島 | 45 | 44 | 43 |
那覇 | 30 | 30 | 33 |
11月以降30%前後しかなかった日照率が、40%前後まで上昇してきます。
真冬には、東京の半分しかなかった日照率が、東京が低下してきたこともあって、かなり同程度に近くなっていきます。
この日の光が多くなるということは、雪を溶かして厄介なことを起こす要因ともなりますが、日中に日の光を浴びていると、5℃前後の気温でも、かなり春のぽかぽか陽気といった感覚を味わえます。
また、日の光が少ない北海道の冬は「冬うつ」と呼ばれる精神的なダメージを受ける可能性があるので、日の光が多くなることは、とても良いことなのです。
「冬うつ」について、詳しくは↓をご覧ください
札幌へ引越しする時に不安な要素はいくつかありますが、冬の気候、東京より10度も低い気温と雪については、多くの方々に認知されていることであり、移住を検討する際にためらってしまう大きな要因の1つです。しかし、案外知られていない冬の別の懸[…]
しかし、いくら日の光が多くなるとは言っても、気温は5℃くらい、高くても10℃くらいですから、アウターをきちんと着た上での日光浴となります。
降雪量/3月の札幌と15都市
(cm) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | 31 | 20 | 17 |
青森 | 33 | 19 | 11 |
秋田 | 12 | 10 | 4 |
仙台 | 6 | 3 | 2 |
東京 | 0 | – | – |
新潟 | 5 | 3 | 0 |
長野 | 6 | 4 | 5 |
名古屋 | 0 | 0 | – |
金沢 | 9 | 2 | 1 |
大阪 | – | – | – |
広島 | 0 | 0 | 0 |
松江 | 3 | 2 | 0 |
高知 | – | – | – |
福岡 | 0 | – | – |
鹿児島 | – | – | – |
那覇 | – | – | – |
3月にもなると、1月2月に比べ6割~4割以下へと大幅に減少していきます。
但し、平均的には減少していくということ、まだまだ大雪の日は数日あってもおかしくありません(年によって変わります)。
積雪量/3月の札幌と15都市
(cm) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | 80 | 69 | 51 |
青森 | 69 | 53 | 27 |
秋田 | 13 | 6 | 3 |
仙台 | 5 | 3 | 2 |
東京 | 0 | – | – |
新潟 | 4 | 3 | 0 |
長野 | 4 | 4 | 3 |
名古屋 | 0 | 0 | – |
金沢 | 5 | 2 | 1 |
大阪 | – | – | – |
広島 | 0 | 0 | 0 |
松江 | 2 | 2 | 0 |
高知 | – | – | – |
福岡 | 0 | – | – |
鹿児島 | – | – | – |
那覇 | – | – | – |
道路に積もった雪は2月に最高の高さに達し、3月上旬から少しづつ減少していきます。
降る雪の量も減りますし、気温も上がり、日の光も増えていくことで融けていく雪の量が増えていくからです。
年によっては、3月の下旬頃にはすっかりと雪がなくなっている道路が多くなっている場合もあります。
また、道路に残る雪の量は年ごとの気候だけでなく、地域や道路の位置によっても大きく異なります。
除雪車がよく入っていて常に積雪の量が一定以上にならない道路では、道路から雪がなくなる時期も早くなりますし、同じ車道の両側の歩道でも、北側の歩道は南の日を浴びて雪が溶けやすく、南側の道路は日が当たりにくいので雪が残りやすくなります。
風速/3月の札幌と15都市
(m/s) | 3月上旬 | 3月中旬 | 3月下旬 |
札幌 | 3.3 | 3.4 | 3.4 |
青森 | 4.3 | 4.4 | 4.3 |
秋田 | 5.0 | 4.9 | 4.8 |
仙台 | 3.8 | 3.8 | 3.8 |
東京 | 3.4 | 3.6 | 3.5 |
新潟 | 3.8 | 3.7 | 3.5 |
長野 | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
名古屋 | 3.5 | 3.6 | 3.5 |
金沢 | 4.3 | 4.2 | 4.1 |
大阪 | 3.0 | 2.9 | 2.9 |
広島 | 3.9 | 3.9 | 3.8 |
松江 | 3.7 | 3.5 | 3.5 |
高知 | 2.0 | 1.9 | 1.9 |
福岡 | 3.1 | 3.1 | 3.0 |
鹿児島 | 3.6 | 3.4 | 3.4 |
那覇 | 5.3 | 5.1 | 5.2 |
3月の札幌は気温も上昇しますが、風も少し強い日が増えてきます。
そのため、気温は上がっても風があるために体感的には寒くなってしまう日も少しずつ増えていきます(4月に比べれば、まだ良い方ではあります)。
3月の札幌は道路も服装も厄介
3月の厄介なこと
ツルツルの凍り道
3月の上旬に主に発生することですが、日中の気温上昇により歩道の雪が一旦融けますが、夜間に氷点下まで下がるので、その水分が凍ってしまいます。
凍った部分がツルツルになり、滑って転んで骨折などのリスクとなります。
この現象は、中途半端に気温が上昇する日には起きることなので、3月上旬に限らず、11月~3月の間にはいつでも起こりえることなのですが、その中途半端な気温になる日が多いのが3月と11月~12月前半ということです。
よって、11月12月にも同じことが言えるのですが、11月では気温条件は合致しても雪が積もっていない場合も多いので、そのような現象は3月の方が多くなります。
びちゃびちゃの歩道と水たまりの交差点
3月中旬~下旬に多く発生することなのですが、日中の気温上昇により雪が融け水分となった後、夜間の気温低下がそれほどでもないと凍る状況にならなかったり、水分が多すぎて全てが凍り切れなかったりする場所は、びちゃびちゃとか水たまりとかになります。
よって、この現象は1月には起こりにくいのですが、暖かい年では2月の中旬下旬でも起きてしまうことがあります。
ただ、例年で平均的にみると、3月中旬下旬に起きるケースが多いと思われます。
黒く汚い歩道や道端
雪が融けて凍って、融けた水分が水たまりなどとして残りという現象を繰り返した後、最後に道路に積もった雪がなくなると、札幌の歩道は黒い石粒が残り、とても汚い景観となります。
この石粒は、凍り道で滑りにくくするために撒かれていたいたものです。
札幌市内の歩道・交差点付近には写真にあるような石粒の入った袋が設置されていて、市民が自由に撒くことができるようになっています。
そして、歩道よりももっと汚いのが、車道の端の部分です。
これらの黒い汚い光景は、雪がなくなり水分がなくなると、ほとんどアスファルトと同じ灰色っぽくなるので、道が完全に乾ききると無くなりますが、4月中旬頃までは残っている道路が多い感じです。
冬の雪道に関して、詳しくは↓も見てみてください
札幌/北海道に移住して、年間を通して後悔しているのは「たばこ臭さ」ですが、冬限定で失敗・後悔に思うのは「ツルツル凍り道」ですね。外を歩くのが怖いというか億劫になります。ただ、いつもいつもツルツルというわけではなくて、ツルツルになりや[…]
日の光が増えていく幸せ
日の出~日の入り時刻
暦に合わせて、日の出・日の入り時刻を並べてみました。
日にちは 2019年 | 札幌 | 東京 | ||
日の出 | 日の入り | 日の出 | 日の入り | |
冬至(12月22日) | 7時03分 | 16時03分 | 6時47分 | 16時32分 |
元旦(1月1日) | 7時06分 | 16時10分 | 6時51分 | 16時39分 |
小寒(1月6日) | 7時06分 | 16時15分 | 6時52分 | 16時43分 |
大寒1月20日) | 7時01分 | 16時31分 | 6時49分 | 16時56分 |
立春(2月4日) | 6時48分 | 16時51分 | 6時40分 | 17時11分 |
雨水(2月19日) | 6時28分 | 17時11分 | 6時25分 | 17時26分 |
啓蟄(3月6日) | 6時04分 | 17時30分 | 6時06分 | 17時40分 |
春分(3月21日) | 5時38分 | 17時48分 | 5時45分 | 17時53分 |
日の入り時刻が、冬の間は午後4時台であったのが、3月には午後5時半頃となり、日の出ている時間帯が長くなります。
日の出・日の入り時刻について、もう少し詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
北海道の日の出・日の入り時刻は、東京と少し異なります。そのため、冬は日長が極端に短く、夏は長くなります。その影響もあってか、冬には「冬うつ」という独特のデメリットもありますが、夏にはゴルフが1日に2ラウンドプレイが可能なほど[…]
日照率も高くなる
そして、日長(日の出~日の入り)時間だけでなく、3月に入ると日照率も上がっていきますので、薄暗い真冬から一気に春が近づいている感じがつかめてくることになります。
札幌で3月の服装
札幌の3月は、気温が上昇していきますが、日中は5℃くらいまで上がっても、夜間は氷点下まで下がるので、まだまだ冬の服装を変えることが憚れます(待ちきれない若者たちは変わりますが)。
しかし、道路はツルツルかびちゃびちゃのどちらかなので、防滑&防水の冬用の靴は3月一杯は履いていた方が無難です。
日中は、かなり日も当たるようになり、ぽかぽか陽気となっていきますが、日中だけでなく夕方以降まで外出される方は、夕方以降の冷え込みには注意してください。
札幌は、6月でさえ東京の真冬並みの寒さとなることがありますので、ましては3月の服装には十分に注意しましょう!
3月の札幌以外の地域で、気温や降雪量・日照率など、どのような服装が適しているか知りたい方は、↓の記事もご覧ください。
3月上旬の北海道は、本州に比べればかなり歩みの遅い気温上昇ではありますが、少しずつ冬の寒さ厳しさから解放されつつある時季です。札幌の最高気温(旬平均・30年平均)を例にすると、1月上旬0.3℃、1月中旬-0.8℃、1月下旬-0.7℃[…]
北海道の3月中旬は、本州が桜の開花の話題で盛り上がっている中、まだまだ本州の真冬よりも気温が低い時季です。札幌の旬平均(30年平均)最高気温は、2月上旬▲0.4℃、2月中旬0.2℃、2月下旬1.7℃、3月上旬2.5℃、3月中旬4.5[…]
3月下旬の北海道は、本州各地が桜の開花で盛り上がる中、北海道では桜の開花が5月上旬か4月下旬かと、やっと1か月遅れで開花予想の話題が出てくる頃です。それもそのはずで、札幌の3月下旬の最高気温は、まだ6.4℃(旬・30年平均)であり、[…]
以上、『3月の札幌での服装/気温・雪・日照・風速/全国15都市との比較付!』でした。