東京生活よりも、心地よさが大いに感じられると判断して北海道札幌市へ移住しました。
そして、札幌の地下鉄沿線に住めば、東京生活での利便性を損なうことが少ないままに、北海道の良さを十分に満喫できるとして、このブログを通して、札幌への移住をお勧めしています。
しかし、北海道という土地柄や将来性に不安を持つことは多分にあります。
どこに住んでも不安な要素はある訳ですが、北海道独自の不安要素がここ数年間、目立ちます。
このブログでも他のブログさんでも、北海道に住むデメリットや移住の失敗・後悔などの記事がありますが、それらは、ごく日常的な感想が多く、実際にどういったことが最近の北海道で起きているのか?については、具体的な記事がほとんど見当たりません。
このブログでは、実感とデータでまとめていると謳っている通り、出来る限りの根拠をもってメリット・デメリットについても記してきましたが、今回は、それらとは別に、ここ2年間(2018年~2019年)くらいで、具体的にニュースなどになっていることの中から、北海道への移住を不安にさせる事実をまとめてみました。
あくまでも、北海道には移住しない方が良い!ということではなく、こんな不安要素もあるので、そのような事実を踏まえた上で、北海道・札幌への移住を判断して頂ければと、記事にしてお伝えいたします。
他力本願主義
経済環境は外国人頼み
2018年の8月に、北海道財務局が道内の経済情勢について、「回復しつつある」という景気判断を「緩やかに回復している」へ1年ぶりに引き上げましたが、その主な要因は「外国人観光客による消費で小売店の売り上げが好調だから」だそうです。
これで、「北海道経済も全国的な景気回復の流れに追いついた。」のだそうです。
事実、北海道で好調なのは、デパートやドラッグストアなどです。全国的には不調な地域が多いデパート業界でも、大阪や札幌など外国人観光客増加が好調な地域だけは、売上高も好調なのです。
そして、2019年の夏は、韓国の反日不買運動により、北海道への韓国人観光客数が激減しています。
他力本願主義の北海道の人たちは、新千歳空港などで韓国人観光客へのあからさまな歓迎お出迎えPRを始めましたが、観光客以外での経済活性化策はどうでしょう?
IR(カジノ)の議論は進んでいて、北海道の中では苫小牧に絞り、北海道として名乗りを上げるか検討中ですが、これも北海道外からの観光客頼みですね。
この「他力本願」というキーワードが、北海道の将来を不安にさせる北海道に根強い民度となっています。
観光客増は外国人と道外客だけ
北海道経済を潤してくれる観光客ですが、この観光客がどこから来ているのか?札幌市のデータを見てみました。
2017年度に札幌市を訪れた観光客を「外国人」「日本在住者(北海道内)」「日本在住者(北海道内)」に分けてみると、外国人は22%増加、北海道外からの日本在住者も30%増加ですが、北海道内=北海道民は全く増えていないことが分かりました。
北海道への外国人・道外日本人観光客が減少した時、北海道民観光客でリカバリーすることはできるでしょうか?たぶん無理であり、観光客以外に頼れる経済的動力が北海道には乏しいので不安になります。
地方交付税
2018年度の地方交付税・北海道配分額は6005億円余りで、例年通りに全国トップでした。
地方交付税は、地方自治体の財源不足を補う性格のものなので、地方交付税が多いということは、自前の財源が不足している=自助努力が足りない自治体ということにもなります。
但し、前の年度に比べれば3.1%少なく6年連続の減少だそうで、北海道内企業の業績回復などに伴い税収増加が見込まれることが要因なので、悪いことばかりでもありません。
ただ、観光客数の増加と連動しての業績回復なので。。。
ふるさと納税
これも2018年のニュースですが、2017年度に北海道に寄与された「ふるさと納税」額は全国トップの365億円で、北海道の自治体が控除した住民税を差し引いた北海道全自治体の収支は、約300億円の黒字だそうです。
ふるさと納税に関しては、儲け過ぎ・やり過ぎの自治体を規制する総務省の動きや、控除額が寄付額を上回って税収が減る都市部の自治体から制度への批判が出ていることなど、今後も安泰な収入源とは限りません。
しかし、他力本願主義の北海道ですから、未来永劫に頼りにしています。
JR北海道問題も国に頼り切り
北海道のインフラ問題として、JR北海道の赤字路線をどう維持するのか?廃線にするのか?大きな問題があります。
そして、この問題をめぐり2018年の夏頃に、国から2年間で400億円台の財政支援を行うので、北海道の各地方自治体からも同水準の負担をするよう提案がありました。
しかし、北海道の判断は、超赤字でもJR路線は残してほしい!でも金は出せない!国の別のお財布(地方交付税)から出してくれないか!というものでした。
自助努力はせず国(他者)にたかる性質は、どこか他の国によく似ていますね。
こんな調子ですから、いつまでたっても問題を解決できる地域にはなりえません。
仕事環境
道庁ですら6割以上が辞退する
2018年のニュースですが、2017年春の北海道庁の採用試験で391人の合格者を出したところ、64%にあたる251人が就職を辞退してしまったとのことです。
5年前の辞退率は19%でしたが、5年間で64%にまで上昇してしまい、優秀な人材の確保が難しくなってきているようです。
北海同庁の64%対して、同年の札幌市役所の辞退率は28%と道庁の半分以下でした。平成25年以降、北海道庁と市町村役所を併願できる日程に変更したところ、北海同庁合格者の辞退率が高まってしまったというのが同庁の言い訳です。
広大な北海道各地のどこに転勤になるか分からない北海道庁よりも、札幌で一生働き続けられる札幌市役所を選ぶ人の方が多いのでしょう。
また、北海道庁の関係者によると、景気が良くなると、民間企業に流れるケースが多くなるそうです。
日本全国どこに行かされるか分からない大企業は良くても、北海道内のどこに行かされるか分からない北海同庁が嫌われるということは、優秀な人材確保が北海道庁に少なくなるというデメリットとともに、北海道民でも、札幌以外の北海道内地方都市を嫌がる若者が多いということの証明にも繋がります。
増えるのはコールセンターばかり
2018年の10月に「さっぽろ創世スクエア」という札幌市の再開発事業による巨大ビルが誕生する際、HTBのテレビ番組で札幌市長が「札幌にはIT系とコースセンターのオフィス需要が多く、期待できる分野である」と言っていました。
確かにコールセンターが増え続けている札幌です。
そして、日本全国の人口100万人以上の大都市の中で、一番「年収」が低いのが札幌です。しかも差を開けられての最下位です。
<2017年度の都市別・平均年収>
※人口の多い順、千円単位以下は切り捨て
横浜市 403万円
大阪市 331万円
名古屋市 393万円
札幌市 309万円
福岡市 345万円
神戸市 362万円
川崎市 395万円
京都市 352万円
さいたま市 387万円
広島市 342万円
仙台市 340万円
似たような地方中核都市である福岡や仙台・広島に比べ1割くらい低いです。
結局、家賃が安い・賃金が安いということが、経済活動における札幌の最大のメリットということで、このような業種が増え続けるということは、今後、札幌市民の働く場所は安泰でも、お財布が豊かになる可能性は低いと言えそうです。
北海道の中には、猿払村(692万)のように、東京の渋谷区(772万)・兵庫県の芦屋市(632万円)と並んで、全国トップ10に入る高収入市町村もあるのですが、これは例外です。
最低賃金が低いにも関わらず守らない
北海道の最低賃金は861円と、全国平均の901円を下回っています。
人口全国1位の横浜市のある神奈川県は1,011円、2位の大阪市がある大阪府は964円、3位の名古屋市がある愛知県は926円ですから、人口第4位の札幌市のある北海道としては、低く過ぎるようにも感じます(九州や東北の各県よりは良いのですが)。
そして、2018年のニュースで、北海道労働局が道内約819の事業所を対象に調査したところ、12%にあたる91の事業所で最低賃金が守られていなかったことが分かったそうです。
いろいろと事情はあるようですが、そのうち13の事業所では、そもそも最低賃金の額を知らなかったとのことで、びっくりな結果です。
自然の驚異は増すばかり
札幌でもクマの出没が急上昇中
2019年は、札幌市南区の住宅街を10日連続で徘徊するクマの映像が全国ニュースで驚かせました。
北海道の大都市「札幌」でもクマは出没します。
今年はここ数年で一段と目立った1年となりましたが、クマ出没情報の増加は2016年を境にV字急上昇しています。
札幌市役所がまとめたクマの出没情報(クマ目撃+糞や足跡などの痕跡)件数を年別に並べてみると明らかです。
2019年 179件
2018年 137件
2017年 106件
2016年 33件
2015年 82件
2014年 89件
2013年 105件
2012年 167件
2019年は9月13日までの件数ですが、記録のある過去8年間で最高の件数です。
2012年以降、件数が毎年減少していて安心していたのですが、2017年から反転し急増しています。
2019年のクマのニュースは、札幌市南区だけでなく、北広島市のアウトレット付近や、江別市の野幌自然公園など、ショッピングモールや学校などが多く集まる場所で何回もありました。
完全に人を避けず、民家の家庭菜園などに執着し始めた場面が多くなってきています。
クマが出ると、行政が必ず注意喚起することの1つに「生ゴミ出しのルール徹底を!」がありますが、家庭菜園を止めなさい!とは注意できないでしょうね。
今のところ、人間そのものへの被害は出ていませんが、過去にはヒグマが人を襲って殺してしまった事件がかなり前に複数件ありますので、皆無ではなく不安材料となります。
もう少し「クマ」の状況を知りたい方は↓
札幌市内にもクマが出る!ゴルフ場・観光施設・高級住宅地にも!?
カラス被害も全国ニュースに
5月~7月あたりを中心に、札幌の街中でもカラスの威嚇攻撃の被害にあうことがあります。
大概は、カラスが頭上を通ったり、後頭部にコツンと突かれる程度なのですが、2019年には大通公園や時計台に近い札幌市街地のど真ん中で、執拗に人間を襲うカラスの映像が、全国ニュースでも話題になりました。
カラスに注意が必要である情報はいろいろとありますが、頭部を流血された方の映像はかなり珍しいと思われます。
街中にも公園や街路樹が多い札幌は、カラスが巣を作る場所がたくさんあるため、カラス被害も他都市よりも多くなります(件数比較はできませんが)。
なぜカラスに襲われるのか?を知りたい方は↓
札幌のカラスが怖い!デカい!?札幌の特殊性とカラスの習性に注意!!
暑い日が目立つようになってきた
札幌では、まず35℃以上の猛暑日となることは無いのですが、30℃以上の真夏日の日数が2019年は倍増しました。
下に、過去10年間の真夏日の年間日数を東京と比較しながら並べてみました。
単位:日数 | 札幌 | 東京 |
2010年 | 17 | 66 |
2011年 | 10 | 55 |
2012年 | 19 | 64 |
2013年 | 9 | 55 |
2014年 | 9 | 41 |
2015年 | 6 | 42 |
2016年 | 11 | 52 |
2017年 | 7 | 47 |
2018年 | 7 | 59 |
2019年 | 18 | 49 |
2019年は、9月13日までの日数であるため、まだ30℃を超える可能性のある東京は最終数値とは言えませんが、札幌は最終数値と見て問題ありません。
東京では10年間でのMAXに比べ現象ぎみであるのに対し、札幌ではほぼMAXに近い、平年の2倍以上の日数となりました。
2012年にも19日という年があったので、さほど驚くことでもありませんが、2019年は10日連続で真夏日を記録したり、30年以上もなかった熱帯夜(最低気温が25℃を下回らない夜)が3日も連続で訪れたりと、過去にはない現象が起きており、少し不気味が感じがします。
環境省がまとめた2100年の天気予報では、札幌の真夏日日数も、現在の東京並み・現在札幌の5倍となる48日まで増えると予測されていて、40℃を超える日もあるとされています(温暖化対策が今以上に進展しなかった場合の条件付きですが)。
2010年頃を天井に気温は下落傾向にあるという記事もありますが、かなりの不安材料です。
北海道民の民度
たばこ喫煙率が全国で第1位
厚生労働省がまとめている「国民生活基礎調査による都道府県別喫煙率データ」によると、過去の全てにおいて、北海道の喫煙率はトップを爆走中です。
単位:% | 北海道 | 全国平均 | 全国比 |
2001年 | 38.0 | 30.5 | 124.6% |
2004年 | 35.1 | 28.5 | 123.2% |
2007年 | 31.5 | 25.6 | 123.0% |
2010年 | 24.8 | 21.2 | 117.0% |
2013年 | 27.6 | 21.6 | 127.8% |
2016年 | 24.7 | 19.8 | 124.7% |
全国平均を100%とした全国比の%を見ると、北海道の喫煙者は全国平均の約25%増しという計算になります。
北海道が安定のトップを維持している大きな要因に、女性の喫煙率が全国平均に比べて圧倒的に高いということが上げられます。
単位:% | 男性 | 女性 | ||
北海道 | 全国 | 北海道 | 全国 | |
2001年 | 53.5 | 48.4 | 24.3 | 14.0 |
2004年 | 49.9 | 44.9 | 22.2 | 13.5 |
2007年 | 43.9 | 39.7 | 20.6 | 12.7 |
2010年 | 35.0 | 33.1 | 16.2 | 10.4 |
2013年 | 39.2 | 33.7 | 17.8 | 10.7 |
2016年 | 34.6 | 31.1 | 16.1 | 9.5 |
もちろん、北海道でも女性より男性の方が喫煙率が高いのですが、全国平均と比較すると、北海道女性の喫煙率は際立っています。
女性の喫煙率については、コチラの記事もご参考まで↓
北海道女性のたばこ喫煙率の高さの理由は、美人比率が高い理由と同じなの?
札幌のたばこ臭さに唖然!北海道は喫煙率で全国トップを独走中!!
そんな北海道では、受動喫煙を無くしていく世の中の方針に逆らう政治家たちが多いことも困りもので、北海道の将来性に不安を感じさせます。
北海道庁に新しい議会場が建設中なのですが、同庁全体は禁煙であるにも関わらず、議会庁舎だけに喫煙所を設けようとしているのです。
知事を始め、自民党以外の会派の全て、医師会やメディア各社などが喫煙所の設置に反対の意向を示しているにも関わらず、自民党だけは「吸う人の権利」を盾に、粘り続けています。
造るとの決定から再度検討ということに変更したことは良いのですが、世論の反対に対して「辞めます!」と言えない思考能力と実行能力に、大いなる不安を感じざるを得ません。
自転車放置王国
札幌の市街地には、自転車の違法駐輪が多く、歩行の邪魔となっているエリアも少なくありません。
内閣府が調べた放置自転車数の最新データ(2015年)の数値を人口で割ってみたときの数=人口当たりの放置自転車数において、札幌市は全国で断トツのトップなのです。
歩道での危険運転も多く、自転車マナーから見た北海道民の民度は、かなり低いと感じてしまいます。
自転車マナーに関する詳しい記事は↓
自動車運転マナーが悪い
自転車だけでなく、自動車のマナーも北海道はよくありません。
2019年に話題の「あおり運転」は、北海道では日常茶飯事です。
ニュースになるような悪質なものではありませんが、一般道でのスピード違反は当たり前で、レンタカーで走行中の観光客が、地元の軽自動車に煽られる場面も少なくありません。
また、ウィンカーを出さずに車線変更することは、日常茶飯事というよりも「一般常識」となっています。
あるテレビ情報番組でも、北海道の特殊性として認める見解を示すコメンテイターがいました。関西でもやる人が多いがソレはダメ!でも北海道の場合はそういう土地柄と理解するべき!というあっけにとられる理屈にびっくりさせられました。
学力テストの結果
2018年度の小学校6年生と中学校3年生を対象にした全国学力テストの結果が公表され、北海道は10科目のうち中学校の国語と理科の2科目で全国平均を上回ったというニュースもありました。
10科目のうちで全国平均を上回ったのが、たったの2科目だけなのですが、2科目も全国平均を上回るということが、11年前に始まった学力テスト以降、初の快挙なのだそうです。
それだけ、北海道は学力が低いということで、今後を担う人材は・・・学力だけで計るものではありませんが、不安要素であると言えそうです。
まとめ
今回は、最近2年間くらいの具体的な出来事を基に、北海道の将来性で、不安にさせられる部分をまとめてみましたが、意外に多くなってしまったことにびっくりしています。
ただ、その他にも、通常的に北海道へ移住することに「失敗」とか「後悔」という言葉が浮かぶ要素があって、いくつか記事にしていますので、お時間のある方は読んでみてくださいね↓
北海道移住に後悔したら読んでほしい解決策&後悔談が気にならない理由
作成した時期が違うため、ちょっと内容(項目)が違う部分もあるので、複数読んでみてもらっても良いかもしれません。
基本的には、出来る限りは根拠をもって記したつもりですが、私の主観が強すぎて、客観性に乏しい項目もあるかもしれません。
いろんな方が「移住 失敗(後悔)」関連の記事を出されていますので、本当に移住しようか否か迷われているような方は、いろんな記事を読んでみてください。
但し、私はもう2度と東京には帰れない!それだけ札幌の方が心地よいと実感しています!
でも、不安なものは不安なのです・・・
以上、北海道に移住して大丈夫か?将来を不安にさせる要素・事実をまとめてみた!についてでした。